こんにちは! ごりら(@goriluckey)です!!
『心の壊し方日記』(真魚八重子)という本を読みました。本を読む習慣のないわたしがまさかの一気読み…
もしもわたしが友だちにこの本を読んだと言うと「どうしたんや!? 大丈夫か?? 」と心配されそうな、インパクトのあるタイトルです。
さらに表紙にはギョッとなるようなイラストが描かれています…
ますます心配になるわ…
まずはじめに言っておきますと、わたしは「この本を読んで良かった! この本に出会えて良かった! 」と心底思っています。
ですが、わたしはこの本を読み終えてすぐに捨てることにしました。
「ゴミ屋敷」という言葉が気になり『心の壊し方日記』を読むことに
わたしが『心の壊し方日記』を手に取ったのは知人の書評を読んだのがキッカケです。
『心の壊し方日記』にはどうやら次々と著者に起きた不幸なできごとが綴られているらしく、ついつい一気に読んでしまうほどだそう…
他人の不幸話が大好物なわたしではありますが、本のタイトルや表紙の不気味なイラストからはわたしが好きな不幸話とは違う種類のものであることが伝わって来ます。
それでもこの本が気になったのは「ゴミ屋敷」という言葉。本の帯にはこのように書かれています。
兄が死んだ。その知らせに帰ると実家がゴミ屋敷になっていた─。
実はわたし自身も親族が亡くなった時に同じような経験をしたことがあります。その時のことが思い出され、どうしても顛末を読んでみたくなったんですよね。
わたしはすぐにAmazonで購入していました。
ちなみにAmazonのレビューを見ると低評価のものがちらほら。知人が書評で「一気読みをした」と書いていたのとはまるで違うレビューに違和感を覚えました。
ですが、『心の壊し方日記』を読み終えると「ああ…そういうことか…」と理解できました。Amazonに書き込まれた低評価のレビューには“本の評価とは異なる要素が含まれている”のだと思います。
『心の壊し方日記』に書かれているできごとはだれにでも起こり得る
『心の壊し方日記』の著者には本当に次々と不幸が押し寄せて来ます。
コンテンツ(目次)を見るだけでも目を覆いたくなるレベルです。「兄の死」にはじまり「兄の正体」「母の問題」「家計のトラブル」「夫の手術」「遺言状」「母の死」「炎上」「保護入院」………
ほんの数年の間にこんなにも多くの不幸なできごとが起きると「全部映画ならいいのに」と著者が感じるのも無理はありません。
ですが、ひとつひとつは決して映画の中のできごとというような話ではなく、だれにでも起こり得るトラブルでもあります。
わたし自身も親族が亡くなった時にゴミ屋敷問題を体験しました。わたしと同じ世代(40代)なら自分自身の健康や親の介護に関する問題はすぐ目の前に迫っていますよね…
著者がどうなってしまうのかという興味だけでなく「実際に自分がこんな目に遭った時にはどう対処すれば良いのか」という疑問に対する答えを求めてページをめくっている感覚がありました。
それぐらい現実的な問題ばかりが次々と著者に降りかかります。
もともと『心の壊し方日記』は『SLIT』というWEBサイトで連載されていたエッセイを書籍化したものだそうです。そのことが影響しているのかはわかりませんが、1文が短く読みやすいのも読書の習慣がないわたしが一気読みできた理由のひとつです。
マンガを読んでいるような感覚で一気に読むことができました!
だれかの「日記」はおもしろくて、だれかの役に立つ
『心の壊し方日記』を読み終えて、ちょっと一般的ではない感想も持ちました。
それはやっぱりだれかの「日記」はおもしろくて、だれかの役に立つということ。
著者の真魚八重子さんは映画ライターであり、本著以外にも出版されている、文筆を生業とされている方なので「ふつうの人が書いた日記」とはもちろん違います。
それに『心の壊し方日記』に書かれているできごとは、だれにでも起こり得るとは言え、「日常」と言うには過酷なできごとです。不特定多数の人に公開するには相当な勇気と覚悟も必要ですよね。
あまり世の中に出まわらないからこそ情報としての価値が高くなるわけですし、その点も「ふつうの日記」ではありません。
ですが、自分の日常で起きたできごとに情報としての価値があるかどうかはわからないものです。100人中99人が見向きもしない情報でもだれか1人の役に立つのであれば価値のある情報ですし、発信する意味があると思うんですよね。
『心の壊し方日記』はわたしにそんな気持ちを起こさせてくれる一冊でした。
まとめ|『心の壊し方日記』(真魚八重子・左右社)
あなたが今お読みになった記事は、『心の壊し方日記』(真魚八重子・左右社)』を読んだわたしの感想でした。(少し違和感のあるこの1文も『心の壊し方日記』の影響を受けてのものです。)
知人の書評をキッカケに読むことにした『心の壊し方日記』。おそらく書店で見かけただけだと手に取ることさえなかったと思います。これも知人の情報発信があったからこそ。
冒頭で書いたようにわたしは『心の壊し方日記』を捨てることにしました。
その理由はこの本を読む人の置かれている状況によってはどういう心の動き方をするかわからないと感じたからです。
うちには高校生の息子、中学生の娘がいるので、子どもたちが読むことを想像すると少し不安がありました。
『心の壊し方日記』を読めば心が動くのは間違いありません。