こんにちは! ごりら(@goriluckey)です!!
登山仲間に誘われて旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群をめぐる廃線ウォークに行って来ました!
「廃線ウォーク」と聞くと苔におおわれたレールの上を歩く、そんなイメージがしますよね。
わたしは『天空の城ラピュタ』を思い浮かべていました!
たしかにそんな雰囲気の場所もありましたが、会社の同僚にトンネルの写真を送るとこんなメッセージが返って来ましたよ…
うわっ…“なんか”出そうな雰囲気やな…
絶対に何人かいますね…“貞子“が…
そ、それは薄々感じてたけどさ…
想像していたイメージとは少し違いましたが、この日は快晴で、気持ち良いウォーキングができました!
旧北陸線跡のうちJR北陸本線・南今庄駅から北陸自動車道・杉津パーキングエリアまでの道のりを写真とともにご紹介しますね!
この記事は2021年9月に実際に体験した時の情報をもとに書いています。
記事をご覧いただいている時点では情報が古くなっている可能性もありますのでご了承ください。
「旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群」とは?
旧北陸本線は1896年(明治29年)に敦賀駅-福井駅間が開通し、1962年(昭和37年)までの66年間にわたり北陸地方の人々の生活を支えて来ました。
旧北陸本線では急勾配で険しい山地に鉄道を敷設するために、13本ものトンネルが建設されたんですね。この区間に鉄道を敷設するのがいかに困難だったのかが想像できますよね。
そのうち11本のトンネルが現代に残されており、国の登録有形文化財に指定されています。(太字のトンネルはこの記事でご紹介する南今庄駅〜杉津PA間にあります。)
旧北陸線の鉄道遺構(トンネル)
- 樫曲トンネル
- 葉原トンネル
- 鮒ヶ谷トンネル
- 曽路地谷トンネル
- 第一観音寺トンネル
- 第二観音寺トンネル
- 曲谷トンネル
- 芦谷トンネル
- 伊良谷トンネル
- 湯尾トンネル
また旧北陸線跡にはトンネルのほかにもいくつかの鉄道遺構がありますよ。(太字の鉄道遺構はこの記事でご紹介する南今庄駅〜杉津PA間にあります。)
旧北陸線の鉄道遺構(トンネル以外)
- 罠山谷暗渠
- 山中ロックシェッド
- 山中スイッチバック跡・山中信号場跡
- 大桐駅跡
わたしは苔の生えた線路の上を歩くのを想像していましたが、旧北陸線は舗装され、自動車道路として利用されています。
歩きやすい道路ではあります!
ですが、道路沿いには駅のホームが残されている場所もあり、過去にこの場所を電車が走っていたという痕跡を確認することができます。
特に相当な苦労をして建設されたであろうトンネルの中を歩くことができるのは感慨深いものがありますね。
「旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群」の活動データ
実際にわたしたちが歩いた「旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群」のルートです。
活動データ
- 時期: 9月下旬
- 天候: 晴れ
- 当日の最高気温・最低気温(参考): 32.1℃・20.2℃
- 距離: 13.6km(JR北陸本線・南今庄駅→敦賀市コミュニティバス・杉津口
- 所要時間: 3時間45分(9:00→12:45)
- 上り: 311メートル
- 下り: 453メートル
廃線ウォークのスタート地点はJR北陸本線・南今庄駅。ちょうど9:00に出発しました。
北陸自動車道・杉津パーキングエリアで少し休憩をして、敦賀市コミュニティバスのバス停・杉津口(杉津郵便局前)まで歩きました。
杉津口から敦賀まではバスに乗って移動です。
服装・持ち物
わたしたちが廃線ウォークをした9月下旬はまだまだ暑く、軽装で問題ありませんでした。
旧北陸線跡は舗装された道路なので、ふつうの運動靴でOKですね。ただ場所によっては日差しをさえぎるものがなく直射日光が続くので、帽子はかぶっておきましょう。
またトンネルの中を歩くのでヘッドライトを持って来るように言われていましたが、日中であればヘッドライトは特に必要ありませんでした。
それよりもトンネルの一部は雨のように水が滴り落ちている場所があり、傘をさしても良いレベル…。レインウェアを準備しておくと良いかも知れません。
「旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群」の見どころ・感想
それでは「旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群」の見どころや実際に歩いた感想を写真とともにご紹介していきますね。
あっ! その前に!!
わたしたちが歩いたルート(JR北陸本線・南今庄駅〜北陸自動車道・杉津パーキングエリア)には途中にコンビニ・トイレはもちろん自動販売機もありませんでした。
飲み物などはあらかじめ用意しておきましょう。
JR北陸本線・南今庄駅〜山中トンネル
JR北陸本線・南今庄駅は無人駅で、駅構内に売店やトイレはありません。
ですが、南今庄駅のすこし西側に「南今庄休憩所」があり、ここにはトイレがあります。出発前にトイレを利用しておくと良いでしょう。
道路沿いには一面にそば畑が広がっており、白くて小さな花を咲かせていましたよ!
県道207号線(今庄杉津線)は平坦で長ーーーい直線が続きます。これももとはこの場所に線路が敷設されており、蒸気機関車が疾駆しいていた名残ですね。
大桐駅跡
南今庄駅から約2.6km(30分ちょっと)歩くと「大桐駅跡」に到着します。
道路よりも少し高い段になっているので、ここが駅のホームだったことがわかりますよね。
ホームには蒸気機関車の動輪がモニュメントとして設置されていますよ。
この場所を「デゴイチ(国鉄D51形蒸気機関車)」が煙を上げながら走っていたんですね!
旧北陸本線山中ロックシェッド
のどかな風景を楽しみながらひたすら歩き続けます。
「大桐駅跡」からさらに約2.8km(30分ちょっと)歩くと、コンクリート製の建造物が見えて来ます。
これが「山中ロックシェッド」です。
ロックシェッドは落石から線路を守るためにつくられているんですね。「山中ロックシェッド」も国の登録有形文化財です。
山中信号場跡
「山中ロックシェッド」から約400m(役5分)歩くと道幅が少し広くなっている場所があり、看板が立てられています。
ここが「山中信号場跡」で、この場所が列車のすれ違いに活用されていたそうです。
看板に写真と説明書きがありますね。(この看板がないと鉄道遺構と気付かないですね! )
このあたりの道路沿いに切断された線路の残骸のようなものがあるのを見つけました。苔の生え方に長い年月の経過を感じます。
旧北陸線トンネル群〜北陸自動車道・杉津パーキングエリア
「山中信号場跡」からさらに約500m(約6分)歩くといよいよ「旧北陸線トンネル群」が見えて来ますよ。
山中トンネル
南今庄駅から杉津方面に向かって歩く場合、一番はじめのトンネルが「山中トンネル」になります。
赤レンガや植物に覆われている雰囲気が良い感じですよね!
「廃線ウォーク」と聞いて想像してたのはコレコレー!! こんな感じですよ!
トンネルの左側にあるのが「山中スイッチバック跡」です。こちらの雰囲気も最高ですね!
わたしは“ラピュタ感”のあるトンネルの入口を見て一気にテンションが上がりました。
ですが、この「山中トンネル」こそが写真を見たわたしの会社の同僚が「貞子が出そう」と言ったトンネルなんですよ…
旧北陸線トンネル群の中でも「山中トンネル」はもっとも長く、なんと1,170mもあるんです。
いざトンネルの中に足を踏み入れると少し肌寒く、はるか先に出口らしき明かりが見えてはいるものの、「本当に出口なのか? 」と不安になるほど長い…
写真では明るく見えますが、実際にはもっと薄暗く、トンネルの中央部に進めば進むほど天井からポタポタと水が滴り落ちていて、トンネルの中は独特の雰囲気に包まれていきます。
長いトンネルのところどころにこのような待避場所があります。今は資材置き場として使われているようでした。
窪みの形状はまちまちで、中にはこんな場所もありました。
どこか異空間につながってそうやん…、貞子出て来るやん…
ほかのメンバーもなにか感じているのか、歩くのが早くなった気がします…
なんとか無事に「山中トンネル」を抜けることができました。こちらは振り返って撮った「山中トンネル」の北側の出入口の写真です。
伊良谷トンネル〜北陸自動車道・杉津パーキングエリア
「伊良谷トンネル」から先のトンネルは「山中トンネル」ほど長いものはありません。
旧北陸線トンネル群の長さ
- 山中トンネル: 1,170m
- 伊良谷トンネル: 467m
- 芦谷トンネル: 223m
- 曲谷トンネル: 260m
- 第二観音寺トンネル: 310m
- 第一観音寺トンネル: 82m
こちらは「伊良谷トンネル」の出入口です。
トンネルの入口には信号機が設置されています。自動車道なのでトンネルの中もふつうにクルマが通るんですよね。実際に何度かクルマとすれ違いました。
トンネルの中はこのように補強されている箇所もあります。煉瓦とはまた違う、独特の雰囲気がありますね。
トンネルを抜けると敦賀湾が見えました!
おおお!! 海やーーー!!
こちらは「第二観音寺トンネル」の中ですね。出口の先に「第一観音寺トンネル」の入口が見えています。
このトンネルもほかのトンネルと違う表情でおもしろいですね。
「第一観音寺トンネル」を抜けると杉津パーキングエリアまでの間にトンネルはありません。
「第一観音寺トンネル」から杉津パーキングエリアまでは約2km(25分)で到着しました。
現在の北陸自動車道・杉津パーキングエリア(上り)は杉津駅跡地なんですね。杉津駅から望む敦賀湾は絶景として知られていたそうです。
杉津〜敦賀
北陸自動車道・杉津パーキングエリアで少し休憩をしてから、今後は敦賀市コミュニティバスのバス停・杉津口(「杉津郵便局」の前にあるバス停)を目指して歩きます。
杉津パーキングエリアからは約3.4km・徒歩40分ほどで到着しました。
わたしたちの計画ではJR北陸本線・敦賀駅方面にはバスで移動する予定だったんですね。
バスの本数が少なく、万が一予定していたバスに乗り遅れるととんでもないことになってしまいます…
もしもバスを利用する場合には事前に時刻表をチェックしてよゆうのあるスケジュールを立ててくださいね。
わたしたちは敦賀港にある「どんと屋」というお店で旬の「炙り秋刀魚丼」を食べようという話になり、終点の「敦賀駅」ではなく、少し手前の「気比神宮前」でバスを降りました。
残念ながら「炙り秋刀魚丼」は品切れでしたが、がんばって歩いたご褒美に「どんと丼」をいただきましたよ。
まとめ|旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群を歩く
この記事では「旧北陸線トンネル群・鉄道遺構群をめぐる廃線ウォーク」をご紹介しました。
廃線ウォークに誘われた時に思い浮かべたイメージとは少し違いましたが、気持ち良く歩くことができました。なんだかんだトンネル群も楽しかったですよ!
旧北陸線の鉄道遺構はまだほかにもあるので、また廃線ウォークの機会をつくってチャレンジしたいですね。