京都の夏の風物詩「五山送り火」は全国的には「大文字」として知られていますね。
大きな山に「大」の字の炎が燃え上がるのをはじめて見ると感動的です!
この記事では「五山送り火の翌朝の消し炭拾いという風習」を紹介します。
五山送り火の後に残った炭には厄除けや無病息災のご利益があると言われているんです。
目次
大文字山って登れるの!? 登るなら五山送り火の翌朝がおすすめ!
毎年8月16日に行われる五山送り火はもっとも有名な「大文字」を皮切りに、5つの山に次々と点火されていくんですね。
- 大文字(東山如意ヶ嶽): 20:00
- 妙法(妙=万灯籠山/法=大黒天山): 20:05
- 船形(西賀茂船山): 20:10
- 左大文字(大北山): 20:15
- 鳥居形(嵯峨鳥居本曼荼羅山): 20:20
特に小さな子どもにとってはおもしろいようで、息子も娘もはじめて大文字を見た時はめちゃくちゃ喜んでいました。
わー!! だいもんじー!!
大きな「大」の字が燃え上がる山は「大文字山」として知られていますが、「如意ヶ嶽(にょいがたけ)」という名前があるんですね。
実はこの如意ヶ嶽にはちゃんと登山道があって「大文字」の火床(ひどこ)まで登ることができます。
わたしは毎年五山送り火の翌日、8月17日の早朝に子どもといっしょに如意ヶ嶽へ登っているんです。
もともと五山送り火はお盆に帰って来たご先祖の精霊を冥府へ送るという仏教的な意味合いを持つ行事で、例えば盃に大文字を映して飲むと無病息災で暮らせるといったご利益があるとも言われています。
五山送り火の後に残った炭のことを「消し炭(けしずみ)」と言って、この消し炭にも厄除けや無病息災のご利益があると言われているんですよ!
玄関先に吊るせるような立派な消し炭を拾うには少なくとも真夜中に登る必要がありますが、小さな子どもといっしょなら早朝がおすすめです。
子どもといっしょに消し炭拾い! 服装や持ち物は?
2015年の夏、娘はまだ幼児園児でしたが、五山送り火を見て興奮していた娘は寝る前に
だいもんじ、のぼるー!!
と言っていました。
ちょうどこの年は午前6:00ごろまで大雨の予報でしたので、目覚ましを6:00にセットしました。
翌朝起きると、幸い雨も止んでいたので、娘を起こすと眠そうにしながらも
…いく! ………むにゃむにゃ…
といった感じでした。
一抹の不安を感じながらもわたしは娘をクルマに乗せて如意ヶ嶽へ向かいました。
7:00前に「京都市銀閣寺観光駐車場」へ到着。
- 「京都市銀閣寺観光駐車場」の住所
- 〒606-8406 京都市左京区浄土寺石橋町62
- 「京都市銀閣寺観光駐車場」の地図
後部座席の娘に目をやると
…!! ね、寝てる!!
まあ、予想通りの結果ではありますが、わたしは娘を抱っこして如意ヶ嶽を登る決意を固めました…
駐車場の階段を上ると有名な「哲学の道」があります。「大文字山登口」の看板が立っていますね。
如意ヶ嶽の登山道「銀閣寺ルート」の入口までは銀閣寺道を通って行きます。もちろんお土産物屋さんはシャッターが下りたままです。
雨は止んでいるものの、前方に見える如意ヶ嶽はガスがかかっているのがわかりますね。
銀閣寺の門もまだ開いていません。
う〜ん…それにしても重たい…
ぐっすりと寝ている娘を抱きかかえながら、どうにか登山道の入口へ到着しました。
…ですが、ここでまさかのハプニング発生!!
娘の足元をふと見ると、なんと玄関に用意していたはずの運動靴ではなくて、まさかのクロックスを履いていたんです…!
しかも…
片っぽの靴がない………
そのまま登ろうかとも思ったのですが、なるべく登山口の近くにあることを祈りながら、わたしはもう片方のクロックスを探しに戻ることにしました。
結局、クロックスが見つかったのは哲学の道…
ほぼスタート位置に戻ってしまいましたが、気を取り直して「大文字」の火床を目指します!
せっかくなので、ここで消し炭拾いの服装と持ち物をチェックしておきましょう…
- 服装はズボンがおすすめ(万が一こけた時のために! )
- 靴は運動靴(ハイヒールはもってのほか! )
- 消し炭を拾う時の軍手またはビニールの手袋
- 消し炭を入れるためのビニール袋
娘を抱きかかえて如意ヶ嶽の登山道へ!
如意ヶ嶽の登山道はそれなりに大変な道のりです。
しかもこの時は夜の間に雨が降っていたので、登山道はぬかるみがあったり、ゴツゴツした岩場があったり…
わたしが娘を抱きかかえながら如意ヶ嶽を登っていると、すでに消し炭を拾って下山している人たちとすれ違います。
ほとんどの人がなにかしら声をかけてくれます。
「あらら〜大変やね〜! がんばって! 」
へへ…ありがとうございます………
不気味な薄ら笑いを返すのが精一杯になってきました。途中で何回も休憩しながら、火床へ向かって進みます。
火床の直前の山道は整備された階段になります。ここまで来たらもう少し!
如意ヶ嶽「大文字」の火床に到着!
最後の気力を振り絞り、わたしは娘を抱っこしたままなんとか「大文字」の火床に到着することができました。
まずは弘法大師が祀られた小さなお堂へお参り。
すると、このタイミングで
ふわぁ〜!
なんと娘が目を覚ましました。
あいにく空には分厚い雲が残っていましたが、それでも爽快な気分になりますね。
如意ヶ嶽の火床からは京都市内を見渡すことができ、京都御苑や下鴨神社、平安神宮も確認できます。
寝起きの娘は目をこすりながら
ここどこー?
と言っています。
大文字山やで!
え〜ちがうよ〜! だって「大」ってかいてないやん!
たしかに遠くから見れば「大」という字に見えますが、火床に来ると小さな子どもにはなんのことかわからないんですね。
ほら、ここが「大」の字のこの部分やろー?
うわ〜ホンマや! 「大」のこのへんやな!!
娘は自分の体を大の字にして見せて、火床がどの部分かを指差しています。
娘が喜んでいるようすを見ると、娘を抱きかかえてここまで登った疲れも一気に吹き飛びますね!
そしたら「消し炭」拾おっかー!
消し炭は「大」の字の中心の火床からいただくことにしました。銀閣寺道のお土産物屋さんの玄関に吊るされているような立派な消し炭は残っていませんが、娘が大きなビニール手袋に小さな手を入れてがんばって探してくれましたよー。
すっかり目を覚ました娘は帰り道は自分の足で歩いてくれました。
如意ヶ嶽の「銀閣寺ルート」の入口近くには湧き水があります。この水が美味しいんですよね!
如意ヶ嶽を下山する頃にはちょうど銀閣寺の門も開き、銀閣寺道のお土産物屋さんも開店していました。
娘は銀閣寺前にある「まつばや」のソフトクリームを食べてご機嫌です!
大文字の消し炭拾いの所要時間は?
娘を抱きかかえての消し炭拾いは娘の靴を探しに戻ったりと決して順調ではありませんでしたが、どれぐらいの時間がかかったのでしょうか。
- 06:45 京都市銀閣寺観光駐車場へ到着
- 06:50 ぐっすり眠っている娘を抱き抱えて登山開始
- 07:00 登山道の入口に到着するも、娘の靴が無いことに気がつき、引き返す
- 07:08 哲学の道で娘の靴を発見し、再出発
- 07:56 「大文字」の火床へ到着〜消し炭拾い
- 08:25 下山開始
- 08:57 慈照寺銀閣へ到着
この時は娘を抱っこしながら休み休みの登山でしたので、登山道の入口から火床までは40分ほどかかりました。
ですが、通常であれば、大人の足で25分ほどで登れます。それなりにハードな場所もありますが、火床から眺める京都市内の景色は爽快ですよー!
この記事のまとめ
この記事では「五山送り火の翌朝の消し炭拾いという風習」を紹介しました。
うちの娘は爆睡していましたが、五山送り火の翌朝は子どもも如意ヶ嶽の火床を目指して山登りをしています。
夜空に燃え上がる五山送り火だけでなく、翌朝の風習もぜひ体験してみてください。
- 五山送り火の大文字山(如意ヶ嶽)には登ることができる
- 五山送り火の翌朝は消し炭を拾う風習がある
- 消し炭には厄除け・無病息災のご利益があると言われている
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小さな子どもといっしょに消し炭拾いをする場合は夜が明けてからじゃないと危ないですが、大きくて立派な消し炭を手に入れるためには真夜中に火床へ行かないといけないんですね。
2016年は大雨の影響で消し炭拾いのライバルが少なかったのか、なかなか立派な消し炭を拾うことができました!
こんにちは! ごりら(@goriluckey)です!!