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京都の夏の風物詩として全国的にも有名な五山送り火。実は送り火の後の「消し炭」にご利益があると言われ、立派な消し炭を求めてたくさんの人が如意ヶ嶽(大文字山)へ登っているんです!
この記事では「深夜の如意ヶ嶽(大文字山)へ消し炭拾いに登った結果」を紹介します。
立派な消し炭拾いは、争奪戦! なんと勝負は真夜中に決着しているんですよ…
目次
五山送り火「大文字」の消し炭とは!?
京都では毎年8月16日に「五山送り火」が行われます。京都の夏の夜に燃え上がる「大」の字はあまりにも有名ですよね。
「大文字」以外にも5つの山で送り火が行われているので「五山送り火」と言われています。
- 大文字(東山如意ヶ嶽): 20:00
- 妙法(妙=万灯籠山/法=大黒天山): 20:05
- 船形(西賀茂船山): 20:10
- 左大文字(大北山): 20:15
- 鳥居形(嵯峨鳥居本曼荼羅山): 20:20
五山の送り火の「大文字」は護摩木を焚きあげているんですが、この燃え残った炭のことを「消し炭」と言うんですね。
消し炭は半紙に包んで水引で飾りつけ、玄関に吊るしておくと厄除けや無病息災のご利益があると言われています。
大文字山として有名な如意ヶ嶽のふもとのお土産物屋さんやカフェの玄関には立派な消し炭が飾られています。
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わたしはこの消し炭を求めて五山の送り火の翌朝に如意ヶ嶽(大文字山)へ登っているんですが、せっかく早起きしても「火床」に到着するころに残っているのは小さな消し炭ばかりなんです…
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立派な消し炭をめぐる争奪戦は五山送り火が終わった後、深夜のうちに決着しているんですよ!!
チャンス到来!? 2016年の五山送り火は大雨だった!
2016年8月16日、五山送り火がはじまる20:00。わたしは京都御苑で呆然と立ち尽くしていました。
いや、わたしだけでなく、その場にいた全員がうらめしそうに夜空を見上げてました。
この年はあいにくの大雨で五山の送り火が行なわれたにもかかわらず、な、なんと京都御苑からは観ることができなかったんです。
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それは落胆しましたよ。無念でした。
ですが、わたしの中には落胆するのと同じくらい、まったく別の気持ちがあったんです。
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もしかしてチャンスかも!!
そうなんです!!
大文字が燃えているのが見えないぐらいの大雨の中、消し炭を拾うために如意ヶ嶽へ登る人はいないんじゃないかと思ったんですね。
少なくともライバルはかなり減ると!
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こ、これは…やるしかない!!
深夜の消し炭拾い! 五山送り火の後の如意ヶ嶽(大文字山)へ!
これまでは如意ヶ嶽の火床へ到着するのは朝の8:00ごろでした。この時間では火床に残っている消し炭は小さなサイズばかり。
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早朝では遅すぎると痛感していたわたしは目覚ましを真夜中の2:00にセットして就寝しました。
…zzZ
わたしは目覚ましをセットした2:00にむっくりと起き上がり、出発の準備をしました。
すでに雨は降っていません。
真夜中なので、公共の交通機関を利用することはできません。わたしはクルマで如意ヶ嶽へ向かいました。
如意ヶ嶽のふもとには「京都市銀閣寺観光駐車場」があるんですが、この駐車場は17:00〜翌朝8:00までは無料で駐車できるんです!
- 「京都市銀閣寺観光駐車場」の住所
- 〒606-8406 京都市左京区浄土寺石橋町62
- 「京都市銀閣寺観光駐車場」の地図
わたしが駐車場に到着したのは3:00過ぎです。
な、なんと…思った以上に多くのクルマがとまっていたのを見てわたしは驚きました…。
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マ、マジか………これはヤバいぞ………
深夜の如意ヶ嶽「銀閣寺ルート」
まずは駐車場から如意ヶ嶽の「銀閣寺ルート」を目指します。
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昼間はたくさんの観光客でにぎわっている「哲学の道」も真っ暗です…
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もちろん、銀閣寺道のお土産物屋さんのシャッターも下りています。
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銀閣寺の入口の前には五山送り火当日のテントがまだ残されたままになっていました。
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銀閣寺の前を通過して、如意ヶ嶽の登山道入り口を目指し…めざ………
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えーーーーーっ!!!
登山道の入口に向かう道が真っ暗です…(写真の左側)
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ええ、もちろんこういう事態は想定していました。
なので、わたしは夜の如意ヶ嶽を登り切るために昼間の如意ヶ嶽「銀閣寺ルート」を登って準備をしていたんです!
ですが、いざ、夜の如意ヶ嶽を前にすると…もう恐怖しか感じません。
だって、ほら、これが登山道の入り口ですよ…
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懐中電灯で照らしても1m先が見えるかどうかという視界。
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こ、怖すぎる………
如意ヶ嶽の登山道は岩場のような場所があったり、大きな木の根っこがむき出しになっていたり、物理的な危なさもあるんです。
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ですが、やっぱりそれ以上にわたしは精神的な恐怖に襲われました。
登山道の横を流れる小川の音も昼間に聞けば清涼感がありますが、真っ暗闇の中で聞くこの音を聞いているとどんどん精神的に追い詰められていくんです。
目の前が真っ暗な中の登山道。突然背後に
「ボトッ!! 」
と“なにか”が落ちる音が聞こえたりもしました。
ドキドキと高まる心臓の音。身体全体を流れる汗。その汗も登山の時に流れる本来の汗とはまったく種類が違うんです…
わたしが火床へ到着するまでの間、数組の人たちとすれ違いました。
暗闇の向こう側からこちらへ懐中電灯のあかりが向かって来る瞬間は「安心感」と「一層の恐怖」が入り混じった複雑なものなんです。
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ふぅ…消し炭拾いの人か………
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な…なに〜!!!
なんとすでに消し炭を拾って下山している人がいました。ライバルたちは一仕事を終えて帰っているんですね。
わたしは立派な消し炭をGETしたい気持ちを奮い立たせ、半泣きになりながらもなんとか火床へ到着することができました。
深夜の如意ヶ嶽「大文字」の火床
火床にはすでに何人かの人たちがいるのがわかります。たくさんの灯油のポリタンクが並んでいて護摩木が焚かれたにおいを感じることもできました。
やっぱり早朝に登るのとは全然違いますね! さっきまでの恐怖は吹き飛び、ワクワクした気持ちで火床をのぞいてみました。
パッと見た感じでは、お土産物屋さんに飾られているようなのはありませんが、明らかに早朝に見る火床とは気配が違います!
もしかしたらちょっとぐらいは立派な消し炭が残ってるんじゃないの? という希望が持てる雰囲気がこの火床にはある!!
わたしは持って来たビニール手袋を用意して、消し炭を探します。
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おお!! けっこう大きい消し炭がゴロゴロあるぞ!!
わたしは大文字の「大」の時の上の部分の火床へ移動し、懐中電灯のあかりではわかりにくいので、手探りで大きな消し炭を探しました。とにかく大きそうな消し炭をビニール袋へ入れていきます。
これまでとはまったく違う手応えを感じながら、ふと目の前を見ました。
火床に着いた時にはあたり一面が霞んでいて視界が悪く、何も見えなかったのですが、4:00過ぎにはきれいな夜景が姿をあらわしていました!
数時間前には大雨で見ることができなかった「大文字」から京都の夜景を観ている…なんだか不思議な感じがします。
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この美しい夜景をながめながら、ペットボトルの水を飲んで疲れた身体を癒します。
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気持ちイイーーー!!
…で、一応『ポケモンGO』を起動してみたら、ポケモンに取り囲まれてました。とりあえず捕獲、捕獲。
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如意ヶ嶽、下山!
これまでに比べて明らかに大きな消し炭を拾うことができて満足したわたしは4:40ごろ如意ヶ嶽の火床を後にしました。
登っている時よりは明るくなったとは言え、まだまだあたりは暗く、決して視界が良い状態ではありません。
これから火床に向かう人たちとすれ違い、挨拶を交わします。
5:00過ぎには山道を下りることができました。この写真は本格的な山道に入る直前にある橋です。(振り返って写真を撮りました。)
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真っ暗闇の中では精神的に追い詰められた小川のせせらぎも、あたりが明るくなってくるとさわやか!!
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真っ暗だった哲学の道のあたりも5:20にはこんなに明るくなっていました。
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深夜の消し炭拾いの成果
十分な手応えを感じていたわたしは家に帰るさっそく消し炭拾いの成果を確認しました。
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うひょ〜! けっこう大きい消し炭!!
写真の右上にあるNINTENDO DSのゲームの大きさは横3.3cm×縦3.5cmなんですね。
で、その横に置いてあるのが昨年まで早朝に登って拾った消し炭の大きさです。本当にゲームと同じぐらいの大きさで長さは3.5cmしかありません。
そして、今回の深夜の消し炭拾いでゲットした中で一番長かったのが、な、な、なんと24.8cmです!!
2つの消し炭を並べて比較してみると、こんなに違います!!
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左上の消し炭は幅が7.0cmありました! これは年輪も見えていますよー!
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さらに極上の消し炭を入手するには!?
この時は3:00過ぎに銀閣寺ルートに入ることで24.8cmもある消し炭を拾うことができました。
ですが、実はわたしが如意ヶ嶽へ登る時にちょうど慈照寺銀閣の前あたりで下山して来た人とすれ違っていたんです。
その人が持っているコンビニ袋からは立派な消し炭がたくさんはみ出していました!
慈照寺銀閣の前ですれ違ったのは3:15ごろなので、その人はおそらく2:00ごろには火床で消し炭を拾っていたのではないかと思います。
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2:00…か!
今思えば、わたしは2:00に起きて如意ヶ嶽へ来たので、登山道を登っている時にすれ違った人たちには
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おはようございます!!
と挨拶していたんですが、相手はみんな「こんばんは! 」と言ってたんですよね…
つまり、わたしよりも先に火床から下山して来た人は寝ていないってことなんですよ!!
むむぅ…さらに極上の消し炭をゲットする方法が見えてきましたね!!
2016年は大雨の影響があり、やはり例年に比べると消し炭を拾いに行く人が少なかったと思います。
別の年に知人が1:00に火床へ着いた時には5cm程度の大きさの消し炭しかなかったそうです。
この記事のまとめ
この記事では「深夜の如意ヶ嶽(大文字山)へ消し炭拾いに登った結果」を紹介しました。
深夜の如意ヶ嶽「大文字」の火床には早朝よりも大きな消し炭が残っていました。
もっと早くに登りはじめれば、もしかしたら、さらに極上の消し炭を手に入れることができるかも知れません。
ですが、真っ暗闇の如意ヶ嶽はマジで怖いので、複数名で登ることをおすすめします!
- 五山送り火が終わった後、如意ヶ嶽(大文字山)に登れば消し炭を拾うことができる
- 早朝に行くよりも深夜の方が大きな消し炭を拾うことができる
- 寝ずに消し炭拾いへ行く人もいる
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