観光都市・京都にまた新しい観光名所ができました! 2016年6月29日(水)にオープンした「漢検 漢字博物館・図書館」です。
今回は「漢字博物館(漢字ミュージアム)」を紹介します。
「漢字の博物館」って聞くとなんだかものすごく堅苦しいイメージですよね? それが予想を裏切る楽しさだったんです!
目次
日本初の「漢字博物館」は体験型施設!?
実はわたしははじめて「漢字博物館」って聞いた時には頭の中がハテナでいっぱいになりました。
「なにそれ? おもしろいの? いや、おもしろいわけないな…」って思ってたんです。だって漢字がテーマの博物館ってめちゃくちゃ勉強させられそうなイメージじゃないですか?
で、漢字博物館(漢字ミュージアム)のコンセプトを聞くとますます頭の中がハテナになるんですよ。な、なんと漢字ミュージアムって「体験型の施設」なんです!! 漢字を体験? …やっぱり勉強させられるんか〜い! って感じですね。
ですが、ご安心ください! 漢字ミュージアムでの「体験」は勉強ではありません。
1階は「見て聴いて触れる」、2階は「遊び楽しみ学ぶ」をテーマにした展示になっているんです。
例えば、1階の展示。漢字ミュージアムでは入場者に「体験シート」というリーフレットが配られます。これを使いながら展示物を見てまわるんですね。のちほど具体的に紹介しますね。
「漢字ミュージアム」の概要
漢字ミュージアムがあるのは京都・祇園。2011年に閉校した弥栄中学校の跡地につくられました。(弥栄中学校は公立の小中一貫校として開校した「東山開睛館」に統合されました。)
四条通りをずっと東に進むとつきあたりには「八坂神社」があります。漢字ミュージアムはその少し手前にあります。京阪「祇園四条」駅からは徒歩5分ほど。
お土産物屋さんなどが並ぶ一角にあるんですが、もともとが中学校の敷地だったので、ゆとりのあるスペースが保たれていますね。
これが漢字ミュージアム! 京都の景観にあったデザインです。
- 「漢字博物館(漢字ミュージアム)」の住所
- 〒6045-0074 京都市東山区祇園町南側551番地
- 「漢字博物館(漢字ミュージアム)」の地図
- 開館時間
- 9:30〜17:00 ※入館は16:30まで
- 休館日
-
- 月曜日(休館日が祝日の場合は、翌平日に振替)
- 年末年始
- 臨時休館あり
- 入館料
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- 大人: 800円
- 大学生・高校生: 500円
- 中学生・小学生: 300円
- 未就学時: 無料
- 障がい者: 無料
- 公式サイト
- 漢検 漢字博物館・図書館
1階のテーマは「見て聴いて触れる」
漢字ミュージアムは2階建ての博物館で、1階は「見て聴いて触れる」をテーマにした展示になっています。
今年の漢字
入場すると一番はじめに目に飛び込んでくるのが“あの”「今年の漢字」です。毎年年末になると清水寺の住職がその年の世相を表す漢字一文字を書くシーンが有名ですね。なかなかインパクトのあるお出迎えです。
漢字の歴史を学ぼう!
「今年の漢字」の奥が1階の展示スペースになっていて壁には「漢字の歴史絵巻」というパネルがぐるっと展示されています。この絵巻は長さが30メートルもあるらしい! イラストや写真を使って解説してあるから夢中で読み込んでる人が多かったです。
「書く素材と道具の進化」という展示では漢字を書くために使われた道具が展示されています。進化の過程を7つの段階に分けて解説されているんですね。
- 砂や土に掘る
- 甲羅・骨や石などに刻む
- 青銅器に鋳込(いこ)む
- 木や竹などに書く
- 絹や紙などに書く
- 紙やさまざまな素材に印刷する
- モニターに映し出す
これは「砂板(さばん)」という朝鮮半島で使われた筆記用具で文字を学ぶために使われていたんです。
こちらは「木版」「金属活字」の展示です。大量に印刷できるようになったことでたくさんの人たちに書物が伝わるようになりました。
踊る甲骨文字テーブル
「なんやコレ?? 」と興味をそそられるのが「踊る甲骨文字テーブル」という展示です。テーブルにはいくつかの漢字があって「漢字に手をかざしてください」と書かれているんです。
子どもの「子」という漢字に手をかざしてみると文字がぐにょぐにょ〜となって「甲骨文字」に変わりました!
その文字がす〜っと動いて甲骨に書かれたところにパチンとハマります。…まあ、それだけなんですけども、なかなかクオリティの高いギミックなのでぜひやってみてください!
体験シートを使って楽しもう!
さてさて、1階の展示は受付でもらった「体験シート」を使いながら楽しむことができるんです。順番に紹介しますね!
体験シートは1階に置かれた5つのテーブルと連動しているんです。まず最初は「テーブル01 甲骨文字占い」ですね。
これはテーブルに設置されている金属のヘラで体験シートをこすると文字が浮かび上がってくるというもの。
体験シートにはあらかじめ甲骨文字が印刷されているんですね。甲骨文字の右側をこするとその文字の現代の漢字が出てきます。
そうそう、実はこの体験シートは何パターンも用意されているので、きっといっしょに行った人の体験シートに印刷されている甲骨文字はまったく別の文字が印刷されていると思います。
今回わたしが受け取った体験シートに書かれていた甲骨文字は「光」を表す文字だったんですね!
で、甲骨文字の下をこするとこの文字の成り立ちが書かれています。
「頭の上に火をかかげる人の形から、火を管理する人を表す。」
最後に右下のスペースをこすると「今日の占い」が出てきます。
「きれいな光につつまれるよ」
…なんだかよくわからないですが、まあ、良い感じってことでしょうか!?
その次は「テーブル02 金印スタンプ」です。
これって地味な体験なんですが、正直わたしは超コーフンしてしまいましたよ!
テーブルにはあの有名な「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」のハンコが置いてあるんです! そのハンコを体験シートにポンと押すだけ!
どうですか!? この印影!! ホンモノそっくりにつくられているんですね!!
「テーブル 03」「テーブル04」は連動しています。まずは体験シートに自分の名前をひらがなで書くんですね。
「テーブル03」にはひらがなが書かれたスタンプが順番に置かれているんですが、これは「万葉仮名」に対応したスタンプなんです。
例えば「あ」のスタンプの裏側には「阿」という漢字が彫られています。「あ」の万葉仮名は「阿」ということなんですね。
なので、万葉仮名を知らなくてもこのスタンプを押していけば自分の名前を万葉仮名に変換することができるんですよ!! このテーブルはけっこう人気があって、みんな自分の名前が万葉仮名に変わっていくのを楽しんでいました。
「テーブル04」では自分の名前のカタカナやひらがながもともとどんな漢字だったのかを知ることができます。
カタカナもひらがなもとは漢字だったんですよね。その漢字が少しずつカタチを変えて現在のカタカナやひらがなになっています。
カタカナとひらがなのスタンプをそれぞれ押す場所を間違えないように気をつけましょう。はい、これで「万葉仮名」「ひらがなのもとの字」「カタカナのもとの字」がそろいましたよ!
「ごりら」は万葉仮名では「其理羅」って書くんですね! なんだか強そうなイメージじゃないですか!
で、カタカナのもとの字、ひらがなのもとの字はどちらも「己利良」でした。こちらは自分さえ儲かればそれで良しっていう雰囲気が出ておりますなぁ〜。
たまたま「ごりら」の場合はひらがなもカタカナも同じでしたが、例えば「あいうえお」はこんな感じになります。
左側がカタカナのもとの字、右側はひらがなのもとの字なんですね。
テーブルでの体験の最後「テーブル05」は国の名前を漢字で表現するとどうなるかってやつです。「アメリカ」のことを「米国」って言うじゃないですか? それを正確に書くと「亜米利加」なんですね。
体験シートには国旗が印刷されているので、テーブルに置かれている同じ国旗のスタンプを押していきます。あ、この印刷されている国旗も受け取った体験シートごとにちがうみたいですよ。
わたしが受け取った体験シートはフィリピン、タイ、カナダ、アメリカ、イギリスの5ヶ国でした。
1階には他にもこんな展示があるよ!
外国人にも人気だったのが「シアター」で上映されている「漢字ってなに? 」というムービーです。だいたい10分間隔で放映されています。
これは「日中韓共通808字の木」で、まあ、そのまんまですが、日中韓共通で使われている808の漢字を集めたオブジェですね。
そして、これはなかなか圧巻です。1階から2階へ移動するためのエレベーターなんですが、そのスペースをうまく活用して「漢字5万字タワー」という展示に仕上げているんですね。
近くで見ると漢字がビッシリと書かれているんですよ。
2階のテーマは「遊び楽しみ学べる」
2階には20個以上の展示があります。例えば「方言漢字」(ある地域だけで知られている方言のような漢字)や京都の難読漢字の地名を紹介した「漢字と京都」といった展示もあります。
興味深い展示が多いので全部見てまわりたいのですが、そんな時にも体験シートが役に立ちます。ちゃんと展示の一覧が記載されていて、チェックできるようになっているんですね。これを活用すると便利です。
中にはゲームのようなのもあって、週末には待ち時間ができてしまうぐらいだそうです。
「部首組み合わせタッチパネルかるた」はおとなもついつい夢中になってしまいそうですね。漢字の部首ってあんがい難しいんですよね〜。
「漢字回転すし」も人気のあるコンテンツだそうです。これは実際の回転すしのようにおすしが流れてくるので好きなおすしを選ぶんですね。
すると、そのおすしがもとの魚に変わるので、その魚を表す漢字を答えるというゲームです。魚へんの漢字ってたくさんありますもんね〜。
そうそう、魚へんの漢字というとおすし屋さんにある湯のみ。なんとあの「魚へん湯のみ」で記念写真が撮れる展示もあるんですよ。漢字ミュージアムらしい記念写真ですね!
わたしが気に入ったのは「体で漢字をつくろう」というコーナー。TIMのゴルゴ松本がじぶんの体で「命! 」という漢字を表現して一斉を風靡しましたが、まさにアレです。
あらかじめ漢字のパーツが用意されているのでそれとじぶんの体を組み合わせるといろんな漢字づくりに挑戦できますよ。
「企画展示」のコーナーでは「漢字縁日」というイベントが開催されていました。縁日で見かけるゲームに漢字をうまくからめています。
これは「漢字釣り」です。漢字をモチーフにしたしおりを釣るというゲームですね。うちの子どもも「魚釣りゲーム」をじぶんで作って遊んでいますが、これ、意外と楽しいんですよね〜。
ちなみに釣りあげた漢字しおりは2枚まで持って帰れるそうですよ。ほんとうの縁日みたいですね。
あと「漢字缶バッジ」というコーナーも人気がありました。オリジナルの缶バッジが作れるんです。
丸い紙にじぶんで好きな漢字やイラストを描いてこの機械を使って缶バッジに仕上げるんですよ。
はい〜できあがりました!
漢字縁日には他にも「四字熟語射的」や「漢字くにがまえ投げ」というゲームもありました。「くにがまえ」の中にパーツを放り投げるんですかね〜。漢字縁日は企画展示なので期間限定ですが、なかなか楽しめるコーナーでしたよ。これは今後の企画展示にも期待が持てますね!
2階には他にもいろいろと楽しめる展示がありますし、「図書館」だってあるんですよ。
1階・2階とじっくりと見てまわると所要時間は2時間ぐらいになると思います。
ショップ&祇園祭りぎゃらりぃ
漢字ミュージアムにはカフェやお土産物を売っているショップもあります。ここは漢字ミュージアムに入場しなくても利用できるようになっています。
ショップには漢字ミュージアムならではのお土産も売っています。漢字がビッシリと書かれたTシャツ!
漢字一文字があしらわれた巾着袋は日本のお土産として外国人にも人気がありそうですよね。
このショップには祇園祭りぎゃらりぃが併設されていて、デシタル屏風では祇園祭りのようすが放映されています。このデジタルの映像がめちゃくちゃくきれいなんですよ!
また実物大の鉾も展示されているので、記念写真を撮るにはぴったりの場所ですね。
この記事のまとめ
今回は「漢字博物館(漢字ミュージアム)」を紹介しました。
「漢字博物館」という文字から連想する堅苦しさはまったく無いところなので、京都観光の名所として浸透していったらなぁと思いました。
あ、今さらですが、博物館にしてはめずらしく館内での写真撮影もOKなんですよ〜。
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こんにちは! ごりら(@goriluckey)です!!