我が家では子どもが教科書を見ながらクイズ形式で出題してくることがあるんです。
今回は「思わずツッコミたくなる漢字の部首」を紹介します。
日常生活で使う漢字の読み書きと違って、漢字の書き順とか部首ってふだんはあまり意識していませんよね…
子どもに出されたクイズが全然わからず悔しかったので、自分でも調べてみたんですよ!!
子どもに実際に出された問題
この間、宿題を終えた息子が突然クイズ形式の問題を出してきたんです。
とっと〜! 問題です!! 「要」の部首はなんでしょう!?
ん〜、上のやつ? たぶん「西(おおいかんむり)かな? 合ってる?」
正解っ!!(ニヤニヤ)
では次の問題です! 「票」の部首はなんでしょうかっ!?
はい、「西」!!
ブッブー!! 正解は「示(しめす)」で〜す!! ぷぷぷぅ〜!!
ムキーッ!!!
腹立つので調べてみたら確かにその通りでした。その勢いで小学生で習う漢字を見ていたら、今まで自分が思い込んでいた部首の概念が一気に崩れてしまったんですよ…。
ごりらからの問題! 漢字の部首を答えてください!
みなさんが持っている部首の概念もきっとわたしとそんなに変わらないんじゃないかなって思ってます。
えへへ〜この問題がわかるかな〜!?
まずはわかりやすい問題でそもそも部首がなんなのかを再確認しておきましょう!
ほら、この問題はけっこう楽勝ですよね? 漢字のパーツがはっきりと分かれていますし〜。 ぜひ、頭の中で答えを思い浮かべてみてください。
【問1】つぎの漢字の部首を答えなさい。
- 化
- 次
- 視
- 料
- 功
さてさて、正解はこちらです。全問正解できましたか?
- 化→ヒ(ひ)
- 次→欠(あくび)
- 視→見(みる)
- 料→斗(とます)
- 功→力(ちから)
………。
いや、これ、全問間違いした人もいるんじゃないでしょうか?? 全部「えっ!? そっちか~い!!」ってツッコミたくなりませんか!?
だって「化」の部首なんて条件反射的に「にんべん! 」っ答えたくなりますよね?
実は部首ってこんなのがけっこう多いんですよ。
それではつぎの問題行ってみましょう! 今度はデザイン的にどれが部首かわかりにくいものを集めてみましたよ。
【問1】つぎの漢字の部首を答えなさい。
- 憲
- 参
- 夢
- 務
- 主
正解はこちらです!
- 憲→心(こころ)
- 参→ム(む)
- 夢→夕(ゆうべ)
- 務→力(ちから)
- 主→ヽ(てん)
どうですか!? どのパーツも部首になりそうなデザインの漢字なので「おまえが部首なんか~い!! 」ってなりますよね。
わたしのこれまでのイメージは漢字の上部に位置している「かんむり」とか左側に位置している「へん」が部首になることが多いって思ってました。(正確に言うと感覚的にそう思い込んでいました。
なので、「憲」は「うかんむり」だと思ってましたし、「夢」は「くさかんむり」だと思ったんです。
「夢」の部首は「夕」(ゆうべ)なんですが、「夢」という漢字の意味を考えると「くさかんむり」よりも「ゆうべ」って言われるのは理解できるんですよね。ちなみに「夜」も「なべぶた」ではなく「ゆうべ」が部首になります。
ですが、「主」なんかは意味合い的にも「おうへん」が部首でも良さそうですよね。似たような漢字の「玉」の部首は「おうへん」なんですよ! もうわけがわかりません。ちなみに「ヽ」が部首の漢字は他には「丸」「丹」「丼」なんかが仲間です。
意味合いで考えてもイマイチ納得できないんですが、つぎの問題はますますパニックに陥りますよ。
【問3】つぎの漢字のうち仲間はずれを探してください。(ひとつだけ部首が違う漢字があります。)
- 海
- 酒
- 汽
- 漢
- 泳
わかりますかね~??? どれもカタチは「さんずいへん」っぽいんですが。
正解は…
な、なんと…
2. 酒
なんです!
おいおい、酒は液体やし水に関係あるんとちゃうんかい! 「汽」とか「漢」の方があやしいやろうがって怒り狂ってしまいますよね。
ですが、「酒」の部首は「とりへん」なんです。
で、なぜ液体である「酒」の部首が「とりへん」なのかって話なんですが、実は「酉」はもともと動物のトリのことではなくて、お酒をしぼるツボのカタチからできた象形文字なんですよ。
「とりへん」の漢字には「酔」とか「酌」のようにお酒に関係のある漢字や、「酢」「醤」のように「酒」と同じく発酵させてつくるものが仲間なんですね。
そう考えると「酒」が「さんずい」ではなく「とりへん」というのも納得…
できるかぁぁぁあ! 紛らわしいわっ!
強いパーツ、弱いパーツ
漢字の部首をいろいろと見ているとなんとなく強いパーツと弱いパーツがあることに気がつきました。
弱っちいのは「がんだれ」っぽいやつですね。「歴」の部首は「止」(とめる)ですし、「圧」は「土」(つち)、「灰」も「火」(ひ)が部首なんですよ。
逆に強いパーツは「巾」(はばへん)です。こいつはもうなにが相手だろうが勝ちまくりなんです。
「市」も「席」も「師」も「常」も「幕」も!ぜ~んぶ「巾」です。まさしく「幅を利かせる」って感じですね。強すぎる!
他にも「口」はけっこう強い気がします。「口」にはこんな漢字がラインナップ!
「和」「命」「同」「問」「器」いろんな形状にうまく対応している器用さがありますね。
ちなみに器用の「器」には「口」が4つありますが部首の「口」は左上の「口」を指しているんですって。
そんな「口」ですが、「鳴」という漢字の部首は「鳥」に持っていかれてしまいます。「なく」って意味なんだし「口」が部首で良いんとちゃうんかと思いますが、わかりますね? もうなにを言っても無駄なんです! 「鳴」の部首は「鳥」ね! ほんとう紛らわしいわっ!
紛らわし過ぎる数字の部首
紛らわしいと言えば、数字の部首。
「一」の部首は「一」(いち)。これはわかります。
「ニ」の部首は「ニ」(に)。これもそのままですね。
「三」の部首は…
「一」(いち)………!!!
「ほわい じゃぱにーずぴーぽー!!! 」言いたくなるわな、これは!
数字を表す漢字の部首でツッコミたくなるのはまだ他にもあるんですよ!
「七」の部首は「一」、
「万」の部首も「一」。
なのに、
「五」の部首は…
「ニ」!!!
もうこれも「一」で良いやないか!!
さらに「百」の部首!
これも「一」と見せかけて…
「白」!!!
なんで~やね~ん!!!
そもそも部首の意味って?
ここまでわけがわからないと、そもそも「部首」ってなんの意味があるの? って話になりますよね。
『デジタル大辞泉』にはこのように記載されています。
漢字の字書で、漢字を字画構成に従って部分けをし、各部ごとにその共通要素である字形を頭に示して索引の用に当てたもの。
さらに『日本大百科全書』にはこんなことを書いちゃってるんです。
部首のまとめ方、配列、名称などは古来より一定していない。
日本では、『新撰字鏡(しんせんじきょう)』(900年ごろ)は「天、日、月、肉、雨」のように天地人という意義分類による約160部の部首配列であり、『類聚名義抄(るいじゅみょうぎしょう)』(平安末期ごろ)では「人、彳、」から「風、酉、雑」までの120部となっている。
漢字は形声字が8割以上を占めているから、意符(義符)によって部首にまとめるということは、意義による分類に近いものとなる。現行の漢和辞典は多く『康煕字典(こうきじてん)』(1710)に倣っている。
どうりでゴッチャゴチャなわけですよ。「部首」って「字書」をつくる時に検索性を高めるために割り当てられているってことなんですね。
しかも字書によって割り当て方が違うって。なんか検索するためのものならなおさら誰もがわかる方が良いと思うんですけどね~。
で、なにより厄介なのが、部首って漢字検定の問題に出題されるんですよ! こんなにややこしいのを問題にするなんて超いじわる!
しかも漢字検定で部首の問題が出るのは6級~2級だけなんですよ。こんなクイズみたいなのを問題にしても良いの? っていう日本漢字能力検定協会の迷いを感じてしまいますね~。そんなことはないのかな〜。
この記事のまとめ
今回は漢字の部首について愚痴ってみました。だってだって、あまりにもわけがわからないことだらけなんですもん!
まああまりこんなことは言いたくはないんですが、漢字の部首の勉強は無駄やなぁ~。そう言わざるをえないですわい。
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