子どものころから伏見稲荷に住んでいるわたしにとって、伏見稲荷大社や稲荷山は遊び場のようなもの。
「この罰当たりめがっ! 」と怒られるかも知れませんが、有名な千本鳥居の左右に分かれてかけっこをしたり、稲荷山でカブトムシ採りをしたりして遊んだ場所なんですよね。
今回は「伏見稲荷大社・稲荷山の観光情報や参拝に役立つ情報」を紹介します。
ぜひこの記事で情報収集をして伏見稲荷を思いきり楽しんでくださいね!
目次
伏見稲荷大社とは?
全国に稲荷神社(お稲荷さん)はたくさんありますが、ぜんぶでどれぐらいの数があるかご存知ですか?
な〜んと、3万社もあるんですよ!!
その総本宮(総本社)と言われているのが、京都市伏見区にある「伏見稲荷大社」なんです。
伏見稲荷大社はもともとお正月の三ヶ日には全国からたくさんの初詣客が訪れる全国でもトップクラスの神社でしたが、最近では国内の参拝客だけでなく、海外からの観光客がものすごく増えました!
TripAdvisor (トリップアドバイザー)による「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」では2014年から3年連続で1位に選ばれるほどの人気で、週末だけでなく平日も多くの観光客でにぎわっているんです。
外国人に人気の日本の観光スポットランキング
- 伏見稲荷大社(京都府京都市)
- 広島平和記念資料館(原爆ドーム、広島平和記念公園)(広島県広島市)
- 宮島(厳島)(広島県廿日市市)
- 東大寺(奈良県奈良市)
- サムライ剣舞シアター(京都府京都市)
伏見稲荷の中でお特に観光客に喜ばれるのが「千本鳥居」ですね。
朱色の鳥居が連続して並んでいるようすはまるで異世界につながるトンネルのようで、めちゃくちゃ幻想的な雰囲気があるんですよ。
「千本鳥居」は左右に2列並んでいるんですね。今は参拝客の数が多いので一方通行(右側通行)になっていますが、わたしが子どものころはここで左右に分かれて競走をして遊びました。
競走したくなる気持ちわかるでしょ…?
伏見稲荷大社の歴史
伏見稲荷大社の歴史は長く、2011年に御鎮座1300年を迎えました。正確な創建年はわかっていませんが、和銅年間(708年-715年)の創建と言われているんですね。
伏見稲荷大社の公式サイトでは次のように紹介されています。
当社の御祭神である稲荷大神様がこのお山に御鎮座されたのは、奈良時代の和銅4年(711)2月初午の日のこと。
出典: 『伏見稲荷大社』
いずれにしても、「鳴くよ うぐいす 平安京」(794年)よりも以前に伏見稲荷大社は誕生しているんですよ!
「御鎮座(ごちんざ)」というのは神様が降り立ってその土地に鎮まったってことなんですが、実は稲荷大神様が降り立ったのは稲荷山なんですね。
その昔、神様が降り立ったと言われる場所には祠があったのですが、な、なんと、応仁の乱で焼失してしまったと伝えられています。
のちにその場所が特定され、現在では「神蹟(しんせき)」として残されているんです。
例えば、こちらは7神蹟のひとつ「上ノ社神蹟」です。
「上ノ社神蹟」は稲荷山山頂(標高232m)にあるんですが、もうめちゃくちゃ雰囲気があるんです。「ここ、絶対に神様がいるわ。」と感じられるような場所ですよね。
「上ノ社神蹟」のきつね像なんて、ほら、間違いなく宿ってるでしょ!?
稲荷山にある上中下の3つの社に参詣するようすは『枕草子』や『今昔物語』などの古典文学にも登場するんです。
古典と聞くと眠たくなってしまう人もいるかも知れませんが、特に『今昔物語』の方は驚くほどアホな話なので、ぜひ読んでみてください。
ごりら風味に現代語訳してますよ〜!
伏見稲荷大社のご利益
伏見稲荷大社のご利益と言えば、「商売繁盛」を連想する人が多いのではないでしょうか? 公式サイトに記載されているご利益をまとめるとこんな感じになります。
伏見稲荷大社のご利益
- 商売繁昌
- 産業興隆
- 家内安全
- 交通安全
- 芸能上達
これは大きい神社になるとよくあることなのかも知れませんが
どんな願いもかないそうやなっ!!
ってぐらい、いろいろなご利益がありますね。
伏見稲荷大社へ参拝に来られたら、こちらの「内拝殿」でいろいろお願いしてみてください。きっとあなたの願いもかなうはず!
さらに稲荷山にはいくつかの神域があり、そこを巡拝するのが本来の「稲荷詣」と言われているのですが、それぞれにご利益があるんですよね。
とにかく良いことがありそうな気がするゾ!
伏見稲荷大社のご神体・稲荷山
さてさて、伏見稲荷大社のご神体である「稲荷山」ですが、上空から見るとこんなふうになっています。
ちょっとわかりにくいかも知れませんが、薄い緑色の屋根をしているのが「内拝殿」で、そのすぐ右側の建物が「本殿」です。本殿のすぐ背後にはもう木々が生い茂っていますよね。
朱色の鳥居や建物の幻想的な雰囲気はもちろんですが、特別な準備がなくても稲荷山のトレッキングを楽しむことができるのも伏見稲荷大社が外国人観光客に人気がある理由のようです。
標高232mの稲荷山はそれほど高い山ではありませんし、参道は石の階段が整備されているので小さな子どもや年配の方でも登りやすい山なんです。
ですが、実際に登ってみるとけっこうしんどいんですよ〜! なので、稲荷山山頂ではなく、少し手前の「四ツ辻」まで登って下山する観光客が多いんですね。
四ツ辻からも京都市内が一望できるので、特に晴れた日は爽快な気分を味わうことができるんです。
そして、ここでおすすめのスポットを紹介しておきますね。
四ツ辻から山頂とは反対の階段を登ると「荒神ヶ峰」に着くんですが、ここからの景色がまた最高にステキなんですよ〜。
登ってみたくなったでしょ〜?
伏見稲荷大社・稲荷山へのアクセスや所要時間
伏見稲荷へのアクセスと所要時間です。
伏見稲荷へのアクセス
伏見稲荷は京阪電車やJRでのアクセスも良いんですよ〜。特にJR奈良線「稲荷」駅の場合は改札を出ると目の前に表参道の第一鳥居が立っていますから!
- 住所
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〒612-0882 京都市伏見区深草藪之内町68
- アクセス
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・ JR奈良線「稲荷」駅 徒歩0分
・ 京阪「伏見稲荷」駅 徒歩5分
京阪「伏見稲荷」駅からも徒歩5分ていどの距離なので、例えば、伏見稲荷と清水寺(京阪「五条」駅)を同日に観光するスケジュールを立てることもできますね。
伏見稲荷の所要時間
伏見稲荷の所要時間ですが、参拝するコースによって大きく変わってきます。本殿までの参拝であれば30分ほどですし、稲荷山に点在する7神蹟をめぐるフルコースならよゆうを持って3時間弱は見ておいた方が良いでしょう。
伏見稲荷大社の参拝時間はコース別・目的別に解説した記事がありますので、そちらも合わせてご覧ください。
伏見稲荷観光のポイント・見どころ
伏見稲荷大社・稲荷山の見どころを紹介しますね。
伏見稲荷のきつね
「お稲荷さん」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは「白狐(びゃっこ)」ではないでしょうか。そう、きつねは伏見稲荷の神様………
ではないんですよ〜!
白狐は「眷属(けんぞく)」と言って、神様ではなく神様のお使いという存在なんですね。もちろん伏見稲荷大社の境内や稲荷山にもいたるところにきつね像が置かれています。
観光の時にぜひ注目してほしいのがきつねの表情なんですよね〜。
例えば、こちらは表参道の第一鳥居のそばにあるきつね像です。JR奈良線「稲荷」駅の改札を出てすぐ目の前にあることもあって、観光客に人気のきつね像。なかなか愛嬌のある表情をしていますよね。
一方、こちらは稲荷山山頂・一ノ峰のきつね像です。威厳のある表情が印象的ですね!
実はきつね像が口にくわえているアイテムもいろんな種類があるんです。それぞれに意味があるんですよ〜!
伏見稲荷のきつね像についてまとめた記事もあるので、ぜひご覧くださいね。
伏見稲荷の鳥居
稲荷山を登っているとよく耳にするのが「すごいね〜、この鳥居が1,000本もあるんだよね〜。」みたいな会話です。
「千本鳥居」という言葉が印象的なので伏見稲荷には鳥居が1,000本あると勘違いされているんだと思いますが、稲荷山にある鳥居の数は1,000本ではありません。
稲荷山全体には10,000基以上の鳥居があるゾ〜!!
稲荷山にはこんな感じでず〜っと鳥居が続いているんですよ。
伏見稲荷の鳥居についてはこちらの記事でまとめています。ほら、いろいろと気になるでしょ? 「なぜ鳥居は朱色なのか? 」とか「鳥居の値段っていくらぐらい? 」とか!
伏見稲荷の御朱印
御朱印集めを楽しみながら、神社やお寺へ参拝するのも人気がありますよね。もちろん、伏見稲荷大社でも御朱印をもらうことができますよ〜。
しかも、伏見稲荷の御朱印は1種類じゃないんです。伏見稲荷には3つの御朱印があって、コンプリートするには、そう…稲荷山を登らないといけないんですよ!
こちらが稲荷山にある「御膳谷奉拝所」でGETできる御朱印です。「稲荷山」と大きく書かれているのを見ると「ここまで登って良かった〜! 」と思えますよ、きっと!!
そして、実はこの3つの御朱印とは別に期間限定でもらうことができる幻の御朱印もあるんですよね。タイミングが合えば、ぜひ、「御旅所」にも足を運んでみてください。
「稲荷祭」(4月20日に近い日曜日〜5月3日)の期間にだけ、「伏見稲荷大社 御旅所」(京都市南区)でもらえます。
伏見稲荷おすすめのイベント
伏見稲荷大社では1年を通してさまざまな祭礼・神事があります。ええ、わかりやすく言うと「イベント」ですね! イェ〜イ!!
これは伏見稲荷大社に限ったことではありませんが、こういう神社のイベントって週末だけに開催されるものではないので、観光スケジュールとタイミングが合わないこともあると思います。
ですが、きっと伏見稲荷の観光がより印象深いものになるので、イベントの開催日程をチェックしながら観光スケジュールを組んでみてください。
伏見稲荷の本宮祭(もとみやさい)
まずはわたしが子どものころから大好きな「本宮祭」です。
今でこそ、伏見稲荷大社の参道にはいつでも屋台が並んでいますが、以前は特別なイベントがある時にしか屋台は並んでいなかったんですよね。
屋台が並ぶイベントのひとつが本宮祭なんです。小学生や中学生って夜に外出して友だちと遊ぶということがすごくワクワクするじゃないですか。おこづかいを握りしめて友だちといっしょに伏見稲荷へ遊びに行くのが楽しかったんですよね〜。
子どものころは屋台に夢中になっていましたが、大人になってから行った本宮祭は圧巻でした。
伏見稲荷大社や稲荷山の参道には無数の提灯が飾られ、あたりが真っ赤に染まるんです!
伏見稲荷へ来たことがある人も本宮祭の独特の雰囲気はぜひ体験してほしいですね〜。「幻想的」という言葉がピッタリ!
でへへ…デートにもおすすめですよ〜!
本宮祭の日程
- 「宵宮祭」 7月本宮祭の前日 18:00〜
- 「本宮祭」 7月土用入後初の日曜又は祝日 9:00〜
伏見稲荷の初午大祭
「初午大祭」は稲荷大神様が稲荷山に御鎮座された日をしのぶお祭りなので、伏見稲荷大社にとってめちゃくちゃ大切なイベントです。
先ほど紹介した『枕草子』や『今昔物語』に登場する伏見稲荷も「初午大祭」の日のできごとが描かれているんですね。現代でも「初午大祭」の日にはものすごい数の人が伏見稲荷大社を参拝します。
この初午大祭の日には伏見稲荷大社の境内では参拝者に「しるしの杉」が授与されます。(初穂料1,000円)
ほかにも「福かさね」や「達成のかぎ」といった『ドラゴンクエスト』に出てきそうなアイテムをゲットすることもできますよ〜!
初午大祭の日程
- 2月初午の日 8:00〜
伏見稲荷の田植祭
「いなり」は「稲成(いねなり)」が由来とも言われ、「五穀豊穣」がご利益に掲げられる伏見稲荷大社にとって「稲」に関する神事は大切なイベントのひとつです。
神楽女(かぐらめ)による「御田舞(おんだまい)」が披露されるなど、見た目に華やかなイベントですよね。
ですが、田植祭は本殿から少し離れた「神田」で行われるので、ちゃんと事前にチェックしていないとイベントが行われていることに気がつかないと思います…。
田植祭の日程
- 6月10日 13:00〜
ふだんとは違う! 伏見稲荷の別の顔
「本宮祭」もふだんの伏見稲荷とは違う雰囲気を味わうことができますが、伏見稲荷はほかにもちょっと違った表情を見せてくれますよ。
夜の伏見稲荷
まずは、その気になればいつでも体験できるのが「夜の伏見稲荷」です。
伏見稲荷大社や稲荷山の参拝は24時間いつでも可能なんですね。なので、日没後でも稲荷山に登ることができるんです。
ほら、稲荷山から眺める夜景もきれいでしょ!?
…と言いたいところなんですが、実はこの夜景にたどり着くまでの道こそが、伏見稲荷が見せるもうひとつの顔なんですよ…。
ほれ、これが夜の千本鳥居じゃよ…
正直、ひとりだと大人でも泣いてしまいそうになるので、もしも夜の稲荷山へ登るのなら複数人で登るのをおすすめします。
関連記事
雪の日の伏見稲荷
こちらは地元に住んでいたとしても、なかなか体験することができない「雪の日の伏見稲荷」です。
伏見稲荷大社がある京都市南部は毎年必ず積雪するというような場所ではないんですよね。それに雪が降ったとしても、すぐに伏見稲荷へ足を運べるかどうかはわかりませんし。
2017年1月15日は京都市内にとんでもない大雪が降ったんですが、たまたま日曜日だったので、カメラを抱えて伏見稲荷へ行ってみました。
どうですか!? 朱色の鳥居が雪に映えて美しいですよね〜!?
ただ、あまりの大雪だったので、きつね像もこんなことになっていましたよ…。
伏見稲荷のランチ
伏見稲荷は毎日のように観光客でにぎわっています。その分、飲食店の数も多く、参道には屋台も並んでいるので、ランチの選択肢はいろいろとあります。
創業1540年であの豊臣秀吉が名付けたと言い伝えられている「袮ざめ家(ねざめや)」をはじめ、どのお店も混雑しています。
予約が必要なんですが、京阪「伏見稲荷」駅の近くにある「懐石カフェ 蛙吉(あきち)」はおしゃれな雰囲気があって、おすすめです。予約をしていれば入店できるので、きちんとスケジュールを組んで観光をする人にとっては都合が良いかも知れませんね。
2017年4月5日(水)にオープンしたばかりの「伏見稲荷 千本いなり」は「京風いなり寿司」の専門店です。ここはテイクアウト専門なんですが、ここでいなり寿司を買って稲荷山で食べるというのも最高ですよ!
このブログで紹介している伏見稲荷の飲食店をまとめましたので、参考にしてみてくださいね〜。店名をクリックすると個別の記事をご覧いただけます。
伏見稲荷のお土産
観光スポットへ行った時の楽しみと言えば、お土産選びですよね。その土地ならではのお土産が並んでいるのを見るだけでも楽しいですが、なにを買えば良いか悩んでしまうこともあります。
伏見稲荷ならではのお土産としておすすめなのが「総本家いなりや
」の「きつねせんべい」ですね!
きつねのお面の形をしたせんべいなので、特に子どもは大喜びですよ〜! ほらっ!
こちらの「辻占せんべい」もおすすめです。一見、ふつうのお菓子に見えるんですが、なんと中から「おみくじ」が出てくる仕掛けになっているんですね。
伏見稲荷大社の境内や稲荷山ではほかにもいろいろなお土産物屋さんがあるので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
この記事のまとめ
今回は「伏見稲荷大社・稲荷山の観光情報や参拝に役立つ情報」を紹介しました。
国内外からたくさんの観光客が来られるだけあって、伏見稲荷大社や稲荷山には魅力がいっぱい詰まっています。
フルコースで楽しもうとするとそれなりに時間もかかるので、事前に観光スケジュールを組んでからお越しくださいね〜。
お待ちしていますよ〜!
こんにちは! ごりら(@goriluckey)です!!