今日(2016年3月5日)は有馬記念や日本ダービーのようなGIレースが行われたわけでもないのに多くの競馬ファンが土曜日の競馬に注目をしていました。
それはJRAの騎手としては16年ぶりの女性ジョッキーとなる藤田菜七子騎手のデビュー戦があったからなんです!
今回は藤田菜七子騎手を全力で応援したい理由を語ります!
競馬界は男性社会! JRAの女性ジョッキーは藤田菜七子騎手だけ!
2016年3月5日時点でJRA(日本中央競馬会)のオフィシャルサイトに掲載されている「リーディングジョッキー(全国)」を見ると149名がランキングされています。そのうち13名がJRAに所属していない騎手や引退している騎手なので本日時点では136名がJRA所属の騎手です。
その中で女性ジョッキーは本日デビューした藤田菜七子騎手たったひとりです。
たったひとり!
一般社会でも男性と女性の雇用条件は決して平等ではないですし、先日も『保育園落ちた日本死ね!!! 』というタイトルのブログが話題になっているように女性が働きやすい環境があるとは言えないです。
ですが、100名規模の会社で女性が1名しかいないってところはさすがに無いですよね。
もちろんふつうの会社とJRA所属の騎手をまったく同じように比較するのもちょっと違和感があるのはわかります。
競馬界は生産者、馬主、調教師、騎手のパワーバランスが異常に働いている世界。男性ジョッキー、女性ジョッキーという性別の問題以前に一般社会と比べると特殊な世界だと思います。
一方で一頭何千万円、何億円とする競走馬がGIレースともなるとやはり何千万円、何億円の賞金を目指す世界なのできれいごとでは済ますことのできない実力主義があるのも理解できます。馬主の立場で考えると勝てるジョッキーこそ正義!
日本の競馬界を牛耳るような有力馬主に干されてしまうとあのジョッキーでさえもたちまち勝ち星をあげられなくなってしまうような世界です。
JRA女性ジョッキーの成績
藤田菜七子騎手はJRA所属としては史上7人目の女性ジョッキー。(菜七子の「七」と言い競馬ファンに好まれそうな「7」が揃ってるのも良いですね! )
そこでこれまでの女性ジョッキーの通算成績を調べてみました。
- 増沢由貴子 34勝(1996年-2013年)
- 西原玲奈 17勝(2000年-2010年)
- 細江純子 14勝(1996年-2001年)
- 田村真来 9勝(1996年-2001年)
- 押田純子 2勝(1997年-2000年)
- 板倉真由子 1勝(1997年-2001年)
一番勝ち鞍をあげている増沢由貴子さんでさえ684戦34勝(勝率0.038)で、2005年から引退した2013年までの9年間は未勝利でした。
ちなみに2015年度の全国リーディングジョッキーの戸崎圭太騎手は940戦130勝(勝率0.138)です。当然 勝てる騎手に優秀な成績の競走馬がどんどんと集まってくるのでリーディング上位の騎手と下位の騎手では残酷なぐらいに勝ち数が広がっていきます。
では増沢由貴子さんの実力がなかったのかと言うと、単純に通算勝率の0.038は今年度のリーディング45位 勝浦正樹騎手の勝率0.035(113戦4勝・2016年3月5日時点)よりも良い数字なんです。
騎乗馬に恵まれるかどうかは性別の問題ではないかと思いますが、騎乗機会が圧倒的に少なかったのも事実。ここに「女性だから」という理由が介在しないと信じたいのですが、『ウィキペディア』の記載を見て思わず「う〜ん…」となってしまいました。
1936年に斉藤澄子が京都競馬倶楽部での騎手免許試験に合格した。しかし、競馬関係者が「女性騎手の存在は風紀を乱す」と反対運動を展開した結果、農林省および東京帝国競馬協会が斉藤のレース出場を禁止する通達を出したためレースに騎乗することができず、さらに1937年に発足した日本競馬会が男性であることを騎手の要件とした(当時)ため引退を余儀なくされた。
※ 『ウィキペディア』より引用しました。
あくまでも80年も前の話ではあるのですが 現在もJRA所属の騎手には女性が1名しかいない状況を考えると、当時の悪い風習のようなものが今も残っているような気がしてしまいます。
海外で活躍する女性ジョッキー!
世界に目を向けると 活躍している女性ジョッキーがいないのかと言うとまったくそんなことはありません。
世界で最も活躍したと言われるジュリー・クローンさんは通算成績が3,704勝。JRA所属で最多勝の武豊騎手の通算成績が3,808勝(2016年3月5日時点)なのでジュリー・クローンさんの成績がいかに素晴らしいものかがわかります。
また藤田菜七子騎手が目標としているリサ・オールプレス騎手も2013年に通算1,000勝を達成している女性ジョッキー。リサ・オールプレス騎手は2児の母親でもあるので、もはや競馬の騎手が活躍するのに性別はまったく関係ないってことを証明していますよね。
リサ・オールプレス騎手のニュージーランドでは30〜40%が女性ジョッキーとのこと。JRAの実情とは全然違いますね。リサ・オールプレス騎手のインタビュー記事がものすごく興味深いです。
藤田菜七子騎手のJRAデビュー戦!
本日がJRAデビュー戦の藤田菜七子騎手ですが、実は一足早く3月3日に地方競馬の川崎競馬場でデビューを果たしています。
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■ 藤田菜七子騎手の川崎競馬場での結果(2016年3月3日)
- 1R コンバットダイヤ 8着
- 4R シンフォニーヒルズ 4着
- 5R ミスターナインワン 2着
- 8R ポッドジョイ 5着
- 10R レガリアシチー 13着
- 12R ポッドライジング 3着
勝ち鞍こそあげられなかったものの上々のスタートを切ったと言えるのではないでしょうか。
そして、JRAデビューとなった本日は中山競馬場の2Rにネイチャーポイントという馬に騎乗。JRAのオフィシャルサイトから動画を見ることができます。(レース結果 > レース選択 > 2016年3月5日(土) 2回中山3日 > 2R 3歳未勝利(混合)[指定])
レースは好スタートから先行争いに巻き込まれることなく、す〜っと中団に待機する巧みな騎乗。
直線で前が開くと猛烈に追い込み、半馬身届かなかったものの2着で入線!
藤田菜七子騎手、デビュー戦2着https://t.co/ga9b1gTRhw
— 競馬ブック (@keiba_book) 2016年3月5日
スタートの良さや冷静な判断力…この1戦を見て 藤田菜七子騎手のジョッキーとしてのポテンシャルの高さを感じました!
この記事のまとめ
これまで6名の女性ジョッキーがターフを去り16年もの時間が流れたのはやはり部外者が想像できないような厳しい世界があるんだと思います。
ですが、6名の先輩のうち増沢由貴子さんは調教助手、板倉真由子さんは厩務員、細江純子さんは競馬評論家として藤田菜七子騎手の身近にいます。(それぞれの関係性はわかりませんが、頼りにできる存在であってほしいな〜と願います。)
究極の男性社会であるJRAで藤田菜七子騎手の活躍は一般社会での女性の活躍を後押しする力になるんじゃないかと思っています。もしも競馬界に性別による差別があるんだとすれば、思いっきりぶち壊してほしい。
藤田菜七子騎手は3月6日も2鞍に騎乗予定!初勝利を願ってぜひ応援しましょう!
こんにちは! ごりら(@goriluckey)です!!